ロストオデッセイ**石丸**
2012.11.16
こんにちは!
今日のお昼は何にしようか、考えている石丸です。
最近、あっさりしたものが食べたくなることが多いです。
着実に、歳を重ねているということでしょうか。
今日は、またまた、最近読んだ本のご紹介をします。
重松清さんの
『永遠を旅する者 ロストオデッセイ 千年の夢』です。
重松清さんは、大好きな作家さんの一人なのですが、
重松清さんの『流星ワゴン』を読んだことのある方なら、
ピンとこられるかもしれません。
その作品の中で登場した車の車種が、「オデッセイ」だったことに。
まぁ、今回読んだ『ロストオデッセイ』は、全く関係なかったのですが。
てっきり、大好きな『流星ワゴン』に関係のある作品だと、
嬉々として本書を手に取ったのですが、
実際は「ロストオデッセイ」というゲームとコラボした作品で、
主人公のカイムが、旅の中で巡りあう人とのドラマを描いた作品でした。
カイムの旅に、終わりはありません。
なぜならカイムは、死ぬことがないからです。
死を迎えることができないからこその悲哀。
逆に、カイムが出会う死を迎えられる人々。
死を迎えられるからこそ、輝きを放つ人生。
重松清と言えば、いわゆるフツーのサラリーマンや、
どこにでもいるであろう中学生が主役の作品が多いですが、
非現実的な主題の作品は、初めて読んだように思います。
が、だからこそ、重松ワールドが前回になっている作品でした。
現実を描くからこそ、無意識に(あるいは意識的に?)生じていた制約。
それを、非現実を描くことで、その制約から解放されていた印象でした。
「帰る場所がある限り 人間は何度でもやり直すことができる」
弱い人間を、弱い人間だからこそ受け入れてくれるような、
こういう、重松清の優しさが、僕は大好きです。
まだまだ寒い日が続きますが、
ぼちぼち読書も続けていこうと思います。